「本物の実践力を育成する」インターズーアカデミーとは

動物病院、ペットサロン、ペットショップで働く方々が、自信をもってこれまで以上にご活躍できるようサポートしています。
獣医師の先生、動物看護師さん、トリマーさん、それぞれの専門職の方々が抱える悩みはさまざまです。

インターズーがこれまでご提供してきた情報は数多くありますが、これらの専門職の方々の共通の悩みは、
「セミナーを受講してみたけど…」、「実際に○○ができるようになりたい」ということではないでしょうか。

それを解決するために、十分な知識をもちながらスキルアップや実践的なテクニックを習得できるのが、インターズーアカデミーです。
インターズーアカデミーでは現場で必要となる実践力を身につけていただくため、
ご自身のスキルを確認しながらスキルアップを実感できるようにカリキュラムを構成し、講義または実習を行っています。

今回は、インターズーアカデミーを牽引する伊從講師と髙木講師に、特別対談をしていただきました。

特別対談

それぞれが、獣医師やトリマーになったきっかけ

インターズーアカデミー(以下、IZA)

伊從先生が、獣医師になったきっかけや、皮膚科を専門にした理由は何ですか?

伊從先生

祖父や両親が歯科医師だったこともあり、子供の頃は歯科医師になるつもりでしたが、若い頃にサラブレッドが大好きになり、獣医師を目指すようになりました。
獣医大学に入学した後も馬の獣医師になりたいと思っていましたが、大学4年生の頃に、自分が通っている大学以外の職場を見学に行く授業があり、やはり犬や猫の獣医療も一度は見てみようと思いました。ただ、自分は1つのことにのめり込む性格だったため、犬や猫の全てを診療するのは難しいかなと思い、当時所属していた研究室の先生に相談したところ、皮膚科の研究が盛んだった東京農工大学を紹介してくれました。
そこでは当時、人間の大学の医学部とも共同で研究が行われていて、動物だけでなく、人間の病気を治すための研究も行われていたので、すごく大きな仕事でおもしろいと思い、皮膚科の研究をするようになりました。

IZA

髙木先生が、トリマーや早く仕上げること目指した理由は何ですか?

髙木先生

私は元々、ファッションやデザインが好きだったこともあり、建築士になりたくて大学に通い、就職先も決まっていました。でもある日、たまたま買い物に行ったホームセンターで犬と出会い、抱っこしてしまったらその日のうちに1頭買ってしまい、何週間か後にドッグフードを買いに、またホームセンターに行ったら、2頭目を買ってしまいました。
犬と生活するようになってからは、犬に関係する仕事がしたいと思い、決まっていた建築関係の就職も断って、犬の勉強をするためにトリミング学校に通ってトリマーになりました。
早く仕上げることを目指したきっかけは、自分のお店をオープンした後、全てがうまくいかずにうんざりしてしまったからです。一生懸命がんばっても、こなせる頭数に限りがあって売上が上がらない。お店の雰囲気も悪い。犬にもきつくあたってしまい怒っている。客単価を上げるには、お店がある滋賀県の彦根という場所では限界があるし、とにかく仕事が楽しくない...。何かを変えたくて、アメリカに留学した所、そこでたくさん頭数をこなして売上を上げるというやり方に出会いました。

伊從先生

アメリカでは、1人で1日に何頭くらいをトリミングしていたのですか?

髙木先生

留学した時に教えていただいた先生は、グルーミングカーであちこち回っていたのですが、1人で1日にカット6頭とか普通にやっていました。多頭飼いの家とか行くと、1人で1日10頭やることもありました。
そして何より、トリマーも犬も飼い主さんも、みんなハッピーで嬉しそうにしているのが衝撃でした。自分は、日本でがんばってがんばっても苦労しているのに、こんなに早く仕上げて売上が上がり、犬も楽で飼い主さんも満足している。衝撃が強すぎて自分の中で受け入れられず、毎日吐き気がしていました(笑)。

それぞれの目から見た、トリミング業界やトリマーの現状

IZA

獣医師の伊從先生の目から見て、現在のトリミング業界やトリマーはどう見えますか?

伊從先生

動物病院ではじめてトリマーが仕事をしているのを見て、獣医療とは分離して仕事をしているような感覚を覚えました。ところがある日、かゆみやフケがある子に対して、私が薬用シャンプーや保湿剤を指示し、トリマーに洗ってもらってから返すことがありました。驚いたことは、飼い主さんから「動物病院に診療で来て、きれいにして返してもらったのははじめてです」と、とても喜んでいただけたことです。私はその時から、獣医師とトリマーがもっと連携することで、皮膚科の診療を高めていけるのではないかと思うようになりました。

一方で、トリマーは皮膚病やスキンケアについて包括的な教育を受けられる場所がなく、目の前の子にどのように対応すればよいかわからないといった声を多く聞きました。

私が『動物スキンケア検定』をはじめたのは、獣医師がやるべきこととトリマーがやるべきことをはっきり色分けし、統一した見解をみんなで作りたいという思いがあります。トリマーが、皮膚病やスキンケアに関する勉強をして、正しい知識を身に付けていただければ、皮膚科獣医師にとっても心強い存在になると思っています。

IZA

動物病院では、処方した薬用シャンプーを使って飼い主さんに自宅で洗ってもらうことが多いので、飼い主さんへの指導も重要になってくると思いますが?

髙木先生

トリマーに頼めばいいですよ。皮膚病がよくなるまででもいいから、トリマーに洗ってもらうよう、獣医師の先生から言ってもらえれば「お任せください!」という感じなのにと、いつも思っています。

伊從先生

最近は、泡で洗えるシャンプーなど、飼い主さんが洗うのが楽な製品も出てきていますが、やはりトリマーさんに洗ってもらうと違いが出ますよね。犬を洗うには技術が必要ですし、ちゃんと洗わらないと効果が出ないので、皮膚科獣医にとってもトリマーは重要な存在だと思っています。もっとトリマーが活躍できる場を広めていきたいですね。

IZA

では、髙木先生の目から見て、現在のトリミング業界やトリマーはどう見えますか?

髙木先生

以前は、1人1日に5頭もできればすごいという感じで、売上を上げるにはオプションをいかに付けるかということを考えていたと思います。
ところが、私が留学したアメリカではオプションが少なく、技術を上げて使える道具を増やし、いかに頭数をこなして売上を上げるかが中心に考えられていました。
最近では、日本でもやり方を変えれば、1日にできる頭数を増やすことができるということに気が付くトリマーが増えてきたと思います。努力した人は必ず早くできるようになるので、今までは「トリマーはこういう職業だから仕方がない」と諦めてしまっていた人も、「もしかしたら自分にもできるかも」、「自分も変われるかも」、「もっと犬にやさしく、楽しくトリミングができるんだ」と思う人が増えてきたように感じます。

伊從先生

トリマーは勉強熱心な方が多いですよね。

髙木先生

最初は、興味本位で「どうやっているんだろう」とセミナーを受講していただいたり、本を買っていただく方も多かったですが、最近では、本気で自分を変えたい、スピードトリミングを取り入れて犬を楽にしてあげたい、という方たちが講習を受けているので、何十年とトリマーをしている方でも、「やり方を変えて犬も自分も楽になりました」と言っていただけることが増えました。

獣医師の目から見たスピードトリミングとは?

IZA

髙木先生が実践されているスピードトリミングは、伊從先生の目から見てどう見えますか?

伊從先生

一度、彦根の髙木先生お店まで行って見学させていただいたことがあるのですが、すごくシステマチックだなと思いました。「飼い主さんと話す」、「洗う」、「乾かす」、「カットする」、「送迎」という作業が分業化されている。
これは、大学病院の診療の流れによく似ていると思いました。飼い主さんから情報を聞き出す人がいて、その後に検査をする人、その結果を判定して治療プランを決定する人、お薬を処方する人がいるという、ひとつのことを成し遂げるために、業務を分担してシステマチックに仕事をしています。
ただ、一般の動物病院では、トリマー1人で何でもやらなければいけないという現状があります。今日、髙木先生に聞きたいと思っていたのですが、工程を分担せず、1人のトリマーでも早く仕上げることはできるのですか?

髙木先生

実は『TALL TREE.』の2号店があるのですが、そこで働いているのはトリマー1人だけで、1日に10頭やることもあります。1人でも自分やる作業を分けて考え、進めていけば十分にできます。ポイントは2つで、1つは「犬を休憩させる」こと、もう1つは「飼い主さんから預かり時間を長くもらう」ということです。詳しくは、今度発売のtrim(2016年6月号)に載っていますよ!(笑)。

伊從先生

なるほど。サロンだけでなく、動物病院の経営者も、一度お店を見学した方がよさそうですね(笑)。びっくりすると思いますよ。

IZA

伊從先生が、髙木先生のお店まで見学に行かれた理由は何ですか?

伊從先生

私も皮膚科の診療をしている中で、「セミナーで言っていたことを本当にやっているの?」と聞かれることがよくあるので、率直に「本当にやっているの?」と思い、彦根まで行って見せていただきました。今回、インターズーアカデミーの講師を一緒にやらせていただくにあたって、知らないと何も話せないですし、とにかく1人で10頭やるのが信じられなかったです(笑)。
私は診療中に、皮膚病の処置として自分でシャンプーもするのですが、これをスピードトリミングの技術を持ったトリマーにやっていただけるようになると、獣医療にも活きてきますね。

トリマーの目から見た動物のスキンケアとは?

IZA

髙木先生は、実際に『動物スキンケア検定』を受講していただいていますが、動物のスキンケアについてどうお考えでしょうか?

髙木先生

元々、私の愛犬も皮膚が悪かったですし、お店に来る犬たちも皮膚が悪い子が多いのですが、悪くなってしまった皮膚を治すのは、すごく大変なことだと思っています。犬も飼い主さんも大変だし、トリマーも悩んでしまう。ですが、皮膚が悪くなる前にトリマーができることはたくさんあると思いますし、私たちがもっと勉強をして獣医師と連携していけば、そういった状況を変えることができると思っています。
私は、何年か前に、インターズーが主催した伊從先生の別のセミナーを受講したことがあるのですが、すごく衝撃的でした。元々、トリマーと獣医師は、決して仲がいいとは言えなかったと思いますが、トリマーにも協力的な伊從先生に会えて、すごく“うれしかったのを覚えています。

IZA

他に受講された方のアンケート結果を見ても、「トリマーの目線に立って教えてくれる獣医師と出会うことができて“うれしかった」という回答がたくさんありました。

伊從先生

確かに、私が獣医師向けにセミナーをする時の10倍以上の質問者が来て、すごい列になっていましたね(笑)。髙木先生は、その後、私が勤務していた大学病院まで来ましたよね(笑)。

髙木先生

セミナーの最後に、「わからないことがあったら、いつでも来てください」とおっしゃっていたので行きました(笑)。 その時は、大学病院内の施設や、診察の流れなどを見学させてもらいました。もっと研究とか実験的なお仕事をされているかと思っていましたが、実際は飼い主さんと話をしている時間が多いんだなと思いました。それも、飼い主さんを指導するというより、「がんばってるね」とか、褒めながら情報を聞き出していることがすごく多い。ということは、自分がやっているお店でも、飼い主さんから今まで何気なく聞いていた情報が、獣医師にとってはすごく重要な情報なんだなと思うようになりました。トリマーも、皮膚科診療の役に立てるかもと、うれしくなったのを覚えています。

IZA

皮膚科は、他の診療に比べても、特に飼い主さんとの会話が重要なのでしょうか?

伊從先生

皮膚病は、治りにくかったり治療が長期化することも多いので、飼い主さんのモチベーションを下げないためにも、会話は重要ですね。季節によってケアの仕方も変わりますし、その時によって飼い主さんの気持ちも変わることがあるので、会話をすることが治療の中心になりますね。

髙木先生

どうしても飼い主さんやトリマーは、「治したい!なのに治らない!」という気持ちが強いと思うのですが、伊從先生の講習を受けて、「皮膚病とうまく付き合っていく」という考え方を学び、飼い主さんにもはっきりと言えるようになりました。

それぞれが考える、“動物を洗う”、“動物を乾かす”こととは?

IZA

髙木先生は、泡で最低4回は洗うというやり方を実践されていますが、伊從先生の目から見て、このやり方はどう思われますか?

伊從先生

まず、4回以上洗うというやり方に驚きました。洗うというのは、まず汚れを落とすことが大きな目的になります。私たち獣医師がよく使う薬用シャンプーはあくまでお薬なので、どうしても汚れを落とすことに関しては、美容シャンプーに比べて劣っています。髙木先生のように、徹底して汚れを落とした後に薬用シャンプーを使うと、お薬の効き目が全然違ってきます。
あとは、汚れをしっかり落とすと、乾かすのが早くなります。私の患者さんでも、それまで薬用シャンプーだけで洗い、乾かすのに1時間かかっていたのが、美容シャンプーで汚れをしっかり落とした後に乾かすと、タオルドライだけでもある程度乾くようになり、だいぶ楽になったという声を聞きました。

IZA

泡で洗うと汚れの落ちもよいのでしょうか?

伊從先生

元々シャンプーは、泡を立ててから洗うことが前提になっているので、とてもよい洗い方だと思います。泡があると洗浄剤の中に空気が入っている状態なので、クッションのような緩衝作用が出て、洗う時に皮膚や被毛を傷つけにくくなります。また、泡は空気によって汚れを浮かせる作用も強いと思います。ただ、犬にとってなぜ泡がよいかとか、何回洗うのがよいかとか、その科学的な根拠まではわかっていないので、今後検討する必要があると思います。
犬は、人間と違って毛に覆われているので、皮脂汚れも当然多くなります。一昔前まで犬は外で飼われていて、月に1回洗えばマシな方だったため、シャンプーも界面活性剤が強めに配合されていました。最近では室内で飼われることが多くなり、皮膚トラブルの質も変わってきていますので、やさしくかつ汚れが落ちる洗い方に変えていかないといけないと思います。そういう意味でも、やはり泡で洗うやり方は理にかなっていると思います。

IZA

乾かすことについてはいかがでしょうか?

髙木先生

『動物スキンケア検定』を受講して教えていただいたのが、乾かし過ぎてはいけないということです。以前は、ドライヤーの熱風とスリッカーを使ってガンガン乾かしていたのですが、ホースドライヤーを使うようになってから、かゆみやフケが出る子がほとんどいなくなりました。今ではホースドライヤーを使う時間もできるだけ減らそうと、犬に速乾タオルを巻いて休憩させながら乾かすやり方を実践しています。

伊從先生

乾かし過ぎはもちろんよくありませんが、基本的に、皮膚や被毛に水分が長く付いていると、皮膚や被毛のバリア機能がふやけてしまい、外からの刺激を受けやすい状態になるので、これもあまり好ましくありません。
人間の髪でも、洗った後になるべく早く乾かしましょうと言われるのは、やはりバリア機能がふやけてしまうためです。 髙木先生の場合、洗った後に、保湿剤で皮膚をコーティングしてから速乾タオルを巻いたり、ホースドライヤーで乾かしているので、あまりダメージを受けないのだと思います。

IZA

通常のドライヤーで熱風を当てて乾かすのと、ホースドライヤーの強風で水分を吹き飛ばすのでは、皮膚や被毛のダメージに差は出るのでしょうか?

伊從先生

乾かし過ぎにもよりますが、熱風の方が乾くのが早い分、ダメージも大きいと思います。最近では、人間のドライヤーでも、「熱風・スカルプ・冷風」と、温度が調節できるものが多いと思います。スカルプを使うと、生ぬるい風で出てきて、乾く時間は遅いのですが、ダメージは少なくなります。正直、どちらがいいかはまだわかりませんが、ちょうどいい温度で乾かしてあげることが重要だと思います。
ただ、皮膚も被毛も、水分とタンパク質で構成されているので、基本的には熱に弱いと言えます。通常のドライヤーを使いすぎて、皮膚が赤くなったとか、かゆくなったといことはよく聞きますが、ホースドライヤーの強風を当ててトラブルが起きたということは、まだ聞いたことがありません。

これからの皮膚科診療やトリマーに必要なこととは?

IZA

今後、獣医師とトリマーの連携というのは必要不可欠になってくると思いますが、もっとスムーズに連携するために必要なことは何でしょうか?

髙木先生

それぞれの役割分担を明確にすることが必要だと思います。私たちトリマーが、中途半端な知識であいまいなことをしてしまったら、絶対におかしなことになってしまいます。皮膚の状態を見て、いろいろな可能性があることをトリマーが勉強しておかないと、飼い主さんに動物病院へ行くことも勧められません。
トリマーは、日頃からその犬の変化を見ていますし、飼い主さんとの会話の中から得られる情報はすごく多いと思うので、ただ動物病院に行ってくださいだけではなく、その情報を獣医師に渡せるようになるといいと思います。私たちトリマーが知っている情報を持って動物病院に行ってくれたら、きっと治療の手助けにもなるはずです。ですので、トリマーがそこまで意識をして、日頃からデータをとったりすることが、当たり前のようにできたらいいんじゃないかなと思います。

伊從先生

これまで動物の皮膚科の業界では、スキンケアという概念が一般的ではありませんでした。しかし、昨今の犬の皮膚バリア機能に関する研究や飼い主さんのスキンケアへの関心から、たくさん新しいスキンケア製品が利用できるようになりました。このような状況で、トリマーの皆さんは、スキンケアの方法や製剤の選び方についてすごく迷われているのではないかと思いますので、正しい知識を持っていただくことは非常に大事だと思っています。
自分もまだまだ皮膚科医としては未熟で、毎日繰り返し繰り返し教科書や論文を読むこと、他の皮膚科医と相談することを欠かさないようにしています。近い将来、もっと獣医師とトリマーがスキンケアや皮膚科診療を通して連携をする時代が来ると思いますが、そのためには、それぞれが勉強・努力を怠らないことが重要です。「このトリマーは、すごく勉強して知識を持っているな」と思われるようになれば、獣医師もトリマーに対する理解が深まり、スムーズに連携がとれるようになるはずだと思います。

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